『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』
岡崎琢磨著 宝島社文庫、2012年8月18日)
※ 当記事では同著より、対応を示すために文章を適宜引用させて頂きます

今読んでいる本です。
知らずに読み始めたのですが、冒頭から京都の地名などが
必要なのか?と思えるほどに固有名詞が数を並べて語られます。

作中の「純喫茶 タレーラン」は京都に所在する喫茶店という想定のようで

高揚しつつ、実はまだ二章までしか読んでいないのですが…
あまりに怒涛の通り名列挙に思わず衝動が走ってしまい
一章の頭で語られる、主人公「アオヤマ」が「タレーラン」に辿り着く道のりを
実際に京都の土地で辿ってみました。

「舞台探訪」として、始めて小説作品を扱うことになりますね~

ではでは、あとは写真でどうぞー
タレーラン001
物語はご立腹な恋人に “河原町三条のハンバーガーショップ” で大内刈りを
決められるところから始まる…
(ワケ解らないだろうけど、解らないなら一緒に読みましょう!ということで)

河原町三条のハンバーガー店といえば、現在はここしか思い当たりません。
ここを想定されたのか、あるいは世界設定が4年くらい以上前なのか
いずれにせよ、瑣末な問題なのでいいとしましょう。
タレーラン002
“空からはぽつぽつと雨が降り始め、せめてアーケードの続いている南に逃げてくれていたなら…” 
北の方角へ走り去る彼女を、やれやれと主人公が追いかける構図。

ちなみに、ちょうど良くぽつぽつと雨が降り始めているので場面回収度高いです
写真は「アーケードの続いている南」を示したもの
タレーラン003
道路横断についての描写がないのでそこは確定できませんが、
河原町通りを北上していきます。 写真は西側歩道。
タレーラン004
“御池通に差しかかる頃には、すっかり見失っていた”
タレーラン005
“見失ったのだから直進ではあるまいと考え、濡れねずみを覚悟で僕は、
気まぐれから近くの富小路通に狙いを定めて北上した”

少量の文章で、結構な移動をしたはりますえ
つまり、通り4本分西に進んでからの右折北上。 これが走っての移動ならば持久力高し。
タレーラン006
寺町通りを越え
タレーラン007
御幸町通りを越え
タレーラン008
麩屋町通りを越え…
ところで、当ブログ通り名の「通り」に「り」を送ったり送らなかったりですが
基本的には気にしていなくて、変換で自然に出てきた方、で書いています。
というのも正式には「通」で括るらしいのですが、町で見かける通り名標識は「通り」なのです。
(理由や真実は、今のところ知りません)
よって、どっちでもいいという判断を下しておりますのでご理解ください。 ませ。

タレーラン009
そして、富小路通り
タレーラン010
この交差点、お手洗いがあるので憶えておくと便利かもしれません(笑)
では、ここで北へ進路変更!
タレーラン011
北へ
タレーラン012
交差点ひとつめ、押小路通り
タレーラン013
タレーラン014
“ふいに足を止めたのは、二条通との交差点を少し過ぎたあたりだ”
いいでしょう、少し過ぎてみましょう
タレーラン015
“道のかたわらに、レトロな電気看板を見つけた。丈は腰ほど、…(中略)…
そんな看板の言うことには、〈純喫茶 タレーラン  コチラ☜〉”

“看板下部の指が示す方向を見ると、双子のように二つ並んだ古い家屋と家屋の
隙間が、軒に覆われてせまいトンネルのようになっている。足元には、
赤レンガが飛び石みたいに点々と埋め込まれていた”


入口を探るヒントになる描写はこのくらい。
…と、結論から言うと、モデルと思しき建物は存在しないようでした。
ので、想定された場所だけ探ってまちの雰囲気を味わうとしましょう。
タレーラン016
「☜」を「北に向かって左側」と受け取るならば
通り上を左に逸れることができるのはこの公園の入り口くらいのもの
タレーラン017
タレーラン018
ぽん、ぽん、と進んで、…赤レンガはありますが(笑)
タレーラン019
 二つ並んだ古い家屋の隙間、という点から攻めるならば
タレーラン020
雰囲気的にはこういう路地を進む心地になるかな?
タレーラン021
二条通りのひとつ北、夷川通り手前にて、明らかに見当違いな赤レンガ要素っ
タレーラン022
最後に、富小路通りを南に振り返ってみる
「タレーラン」の影はないとはいえ、店を出た先のまちの雰囲気がこうあるのは確かでしょう
タレーラン023
おまけに
これは夷川通りを右に曲がって振り返って撮った一枚ですが、
右の植物に覆われている辺りに珈琲店があるようでした。
「タレーラン」に(距離的に)一番近い珈琲店はこのお店… なのかな!

そんなところで以上、「タレーラン」散策のまち歩きでした~。

読み進めていく中で、また気になる地理描写が出てくれば第二弾があるかも知れません。


ちなみに…
“…今年の祇園祭も、多忙につきほぼ足を運べずじまいであった”
という描写が、今年の自分に重なって笑ったりでした。

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